後ハメ加工タイプ1:関節差し込みタイプ
よくあるのがこの「関節差し込みタイプ」。
写真Aのピンの部分を、Bのパーツの穴に差し込んで、もう一方のAのパーツで挟み込むというパターン。旧キット(接着剤キットや1/144やFGなどの安価キットなど)によくあるパターンで、出会う確率は意外と多いと思います。
この場合、ハメ込む方向を決めてAのピンに通るようにBのパーツの一部をカットする方法で後ハメが可能になります。
例えば、写真のパーツの場合、②の赤色の部分を切り落としてピンが通るようにする感じです。
こうすることで、それぞれを塗装後にハメ込むことが出来ます。
ここでの注意点としては、Bの赤色の部分を切り落とす時、中心の穴に向かってだんだん狭くなるようにしておくこと。俗に「ハの字カット」と呼びますが、「ハ」の字の形のように入口(ハの下側)は広く、出口(ハの上側)は狭くカットすることを意味します。
こうすることで、ピンに差し込んだ後、抜け落ちることが無くなるというわけです。また、関節の緩みを抑えることが出来ます。難しそうに感じられるかも知れませんが、少しずつ調整していけば難しくないのでぜひ意識して見てください。
ちなみにこの「ハの字カット」は、ダボピンとダボ穴を加工した後ハメ加工の定番となるので、覚えておきましょう^^
あと、先の写真のような場合、肘を曲げた時に赤色の切り落とす部分が露出しないかどうかをチェックしておきましょう。腕を曲げた時に加工した部分が露出すると、ちょっとカッコ悪くなっちゃいますからね^^;
また、ピンの通り具合のチェックは必ずやっておきましょう。めんどくさくても、少し削っては差し込めるかチェック、また少し削ってチェック・・・と慎重にやると成功確率はグッとあがります。
もう一つ、気を付けたいのが「保持力」です。
ピンの周囲を囲むように設計されてるパーツの一部を切り取ることで、本来よりも摩擦が減る為、関節の保持力が緩くなります。
緩くなってしまうと、ビームライフルなどの武器を持った時に重さに耐えられず腕が下がるんですね。
実際にやってみないと分からない部分も多いので、やってみて保持力が下がるようだったら、ピンの周囲を瞬間接着剤などで若干だけ太くしてあげると気持ち保持力を強めることも可能です。
後ハメ加工タイプ2:ダボパチタイプ
ガンプラの肩などに使われるタイプで、これも旧HGUCなどの旧キットでよく目にします。
この場合、両方のダボ穴の一部を切り取り、ピンが付いたパーツに押し込むことで後ハメが可能になります。
先程の「関節差し込みタイプ」と基本的には同じ考え方ですね。
この場合、保持することがあまり多くないので、「関節差し込みタイプ」ほど保持力の心配はありませんが、肩に大型のバーニアやシールドを取り付ける場合は注意が必要かも知れません。
このタイプで気を付けたいのが「ダボ穴の破損」です。(これホント泣けます・・・)
基本的にダボ穴のプラの厚みが薄い為、無理に力が伝わると破損する可能性があります。
ダボピンの直径よりも、明らかに狭い切り欠きで力を込めると破損の可能性があるので、ピンより若干狭い状態から、テストを何度も繰り返しながら進めると失敗する確率がグンッと減ります。
経験則ですが、上手くいく時は力を「グーッ」と入れたら、結構早めに「パチッ」と差し込むことが出来ます。これが「グーーーーーッ」と力を入れても微動だにしないような時は、おそらく「ダボピンの太さよりもダボ穴の加工側が狭すぎる」のが原因です。
まったくビクともしない、または、何か反発されてる、などの感覚を指先から感じた場合は、一度止めて、切り欠きが足りないのか他のどこかが干渉しているのか、必ずチェックした方が良いです。
ここでもやはり「ハの字」にカットしておくと、よりスムーズに差し込むことが出来ますよ^^
後ハメ加工タイプ3:差し込み回転タイプ
前述の2タイプよりも見かける場面は少ないですが、二の腕などに登場するタイプです。
FGや旧キットなどでありますね。「円盤を内側に引っ掛けて回転する」タイプのパーツですね。
これは少し難易度が高くなりますが、円盤の一部を切り飛ばし受けのパーツの方は残った円盤が入る穴を開けておくと後ハメが可能になります。
写真を例にすると、①の黄色い面積を削ってハメ込んでからパーツを回転することで、Aの円盤がBの突起に引っ掛かって抜けなくなるという仕組み。
このタイプの注意点は、回転時に一番支障のない部分で差し込むように考えて加工するということ。ここでのポイントは、差し込んだ腕パーツを「回転させる」ことです。つまり「回転させないとダメ」ということですね。
例えば、腕を正面に向けた状態で差し込むように加工すると、回転させた時に腕の向きが逆になってしまいます。ということは、回転させて正面を向かせたいなら、差し込む時は腕を逆に向けた状態で差し込まないといけないということです。
数学の図形が苦手な人はチンプンカンプンかもですね・・・^^;
ポイントは「回転することでしっかりとハマる」ということなので、回転を考慮して加工する必要があります。(僕は「ありえない方向」にした状態から加工を始めます。そうすることで抜ける条件は腕を「ありえない方向」に回転した時ということですからね。)
まぁ、このパターンって実はなかなか目にしないんですけどね^^;(笑)
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