まいどおおきに!Akidou(@Akidou123)です。
今回はガンプラやプラモデルを作る時に行う『整面処理』について解説していきます。
かなり大変な作業ですが、これをするだけで完成した時の仕上がりがワンランクアップすると言っても過言では無い為、素組みからステップアップを目指している方はぜひ参考にしてみてください^^
『整面処理』って何?
整面処理とは、文字通り『面を整える処理』のことです。
では、『面を整える』とはどういうことなのか?
実は、ガンプラだけでなく、どのプラモデルでも「全ての平面が均一な平面」では無いんです。
分かりやすい例で言うと「ヒケ」と呼ばれるものが面にある場合、ヒケの周辺は面よりも窪んでいることになるので、ちゃんとした平面では無いと言えます。
他にも、エッジ付近が盛り上がっているキットが稀にあったり、ウェルドラインが入っているところで波打っていたり・・・パッと見は平面に見える面も、実は凹凸があったりするんです。
それを均一な面にする処理が「整面処理」になります。
また、僕の場合ですが、同時に「エッジ出し」もしてしまいます。(これも整面処理に含んで解説していきます)
整面処理をしたらどうなるの?
では、整面処理をするメリットは何なのか?
これはとても簡単で「仕上がりが綺麗になる」というメリットがあります。
面が均一だと、デカールも塗装もしっかりとした平面になりますし、エッジもしっかりとした存在感のある仕上がりになります^^
デメリットと言えば「時間がかかる」ということ。
パーツをしっかりとヤスリで慣らしていくので、パーツが増えれば増えるほど、作業に時間がかかってしまいます。
完璧を目指すなら全てのパーツをヤスリ掛けする方がいいですが、組み上げた時に目立つ大きな面だけでも整面処理をするのも良いかも知れません。
要は「自分が納得いく仕上がり」を目指しつつ、あとは「どこまで時間を短縮するか」を追求するとそれぞれの「整面処理」にかかる作業量が変わってくるということですね^^
ちなみに僕は、ほとんどのパーツを整面処理していますが、内部パーツなどは場合によってしか整面処理しません。理由は「ほとんど見えないから」です。
そんな感じで自分の中で「ここはやる」「ここはやらない」を決めてしまっていいと思うので、とにかく目立つ面は整面処理をすると、完成後がさらに見映えが良くなること間違いなしです。
整面処理ってどんな道具が必要なの?
それでは、整面処理をするのに必要な道具(工具)は何?ってことで、以下のものがあれば十分です。
必須なものは紙ヤスリと当て板の2つ。
↑#320のペーパー(三共理化学)とプラ板(1.0mm)で作った当て板
紙ヤスリは耐水ペーパーで水研ぎしてもOKですが、僕は整面処理の時は水をつけずにヤスリ掛けをしています。
理由は、削りカスがエッジに溜まってくれるからです。
粗いペーパーで整面処理をすると、同時にエッジ出しも出来るのですが、削りカスがエッジに溜まってくれると、エッジラインが判別しやすくて楽なんです^^
まぁこれは個人的なこだわりなので、削りカスが出るのは嫌だっていう人は水をつけてヤスリ掛けをすると、ヤスリも長持ちするし削りカスも飛び散らないので一石二鳥です(笑)
あとは必ず「当て板」を用意するようにしましょう。
これは平面を出す為に必須と言えます。
こちらのような市販のヤスリ用ボードを購入してもいいと思いますが、1mm程度の厚めのプラ板でも問題ありません。
プラ板の場合、プラ板に両面テープを貼って、ヤスリを貼れば簡単に用意できます。
当て板を使わないと、「平面を出しているつもりが傾いて削っていた」なんてことが普通に起こりえます。それはペーパーを二つ折りしても同じです。
一度傾いて削ってしまった面を修正するのは結構大変なので、ちょっと面倒でも当て板を準備して、綺麗な面出しをするようにしましょう^^
整面処理ってどうやってやるの?
今回、ちょうどいい面を持ったキット、「HG 1/72 バンイップブーメラン」があるので、こちらのパーツを使ってみたいと思います。
こちらはバンイップブーメランの膝になるパーツなのですが、写真上面(一番明るい面)と左面(ちょっと暗い面)と右面(一番暗い面)の3つの面が合わさっています。
それぞれの面の間にある「辺」は、いわゆる「エッジ」と呼ばれる部分で、何も処理しない状態だと写真のように若干丸みを帯びています。(ユーザーが指を怪我しないように配慮されている為です)
面を平面に整えるのと同時に、これら3つの辺は「エッジ出し」をしていこうと思います。
当て板に貼り付けたペーパーヤスリを、ヤスリ掛けしたい面にピッタリとあて、力を入れずに動かして面をヤスリ掛けしていきます。
そうすると写真のように、まれに色が違う部分が現れることがあります。
これが「ヒケ」と呼ばれるもので、パーツ成型時に裏側のダボピンなどが関係して、その反対側の面が沈んでしまう現象です。
ヤスリ掛けをしてこの「ヒケ」だけ色が違うということは、「ヤスリ掛けがされていない」ということなので、つまりは「他の面よりも窪んでいる」ということになります。
あまりに大きなヒケの場合、ラッカーパテや瞬間接着剤を少量盛り付けてからヤスリ掛けをするのですが、これぐらいのヒケならヤスリ掛けし続ければ、消すことが出来ます。
これぐらいまで「ヒケ」を消して上げるといいと思います。
この「ヒケ」があまりに大きいと、塗装した時に窪んで見えてしまうので、綺麗な塗装面にしたい場合は面倒でもしっかりと対処していきましょう^^
さて、こちらの写真を見てもらうと、細長い小さな面があると思います。
こういう面のことを「C面」と言い、ここの処理をどうするかでキットの印象が変わってくる面になります。(正確にはこの写真の面をC面と言うと語弊がありますが、一番分かりやすい面だったのでここをピックアップしています)
「C面」とは、面(A面)と面(B面)が合わさる直角(エッジ)のところにある小さな面(C面)のことで、ガンプラにもよくある面です。
C面の中で特にガンプラなどのバンダイキットに多いのが、通称「バンダイエッジ」と呼ばれるもの。
エッジが直角だと怪我をするかもしれない為、あえて小さな面を一つ作ることで怪我をしないように配慮されたC面です。
こういったC面を、モデラーそれぞれがどう処理するかは決まっておらず、小さなC面もあれば、大きなC面もあり、あえて残すC面もあれば、無くした方がいいC面もあります。
今回は先の写真のエッジは無くしてしまおうと思っています。
C面処理にも色々方法はありますが、僕はほとんどの場合「ヤスリ掛け」で落としてしまいます。
面出しをしていた時よりも気持ちC面寄りにペーパーを傾けて、エッジを無くしていくイメージでヤスリ掛けをします。
ちょうどこの写真のパーツの上半分はC面を無くした状態、下半分がC面を残した状態です。
C面を無くした場合、面が1つになるので、シャープな印象を得ることが出来ます。一方でC面を残した場合は、パーツの分厚さが印象に残り、装甲っぽい印象を得ることが出来ます。
写真左がキットのまま、写真右がC面を含んだ「整面処理」をしたパーツで、比較しました。
左の方がガッシリとした印象、右の方がスタイリッシュな印象があるかと思います。
写真左がキットのまま、写真右が整面処理後のパーツです。
パーツ中央にあったウェルドライン(表面のヒビのような線)も無くなり、均一な明るさの面になっています。
あとそれぞれの面につながるエッジの部分も、整面処理後の方は鋭くシャープな印象があるかと思います。
バンダイエッジの処理
ちょうど「バンダイエッジ」があるところがあったので、もう一例。
こちらは、バンイップブーメランの膝にあたるパーツなんですが、写真だと分かりにくいかもしれませんが、1枚目のパーツ下側の左右にあるエッジをご覧ください。
よく見ると左側のエッジには小さな面があるように見えます。(赤矢印がさしている辺です)
これが「バンダイエッジ」ですね。
右側のエッジはバンダイエッジを落としてシャープにしたエッジです。
写真左側がキットのまま、右側が整面処理とエッジ出しをしたパーツになります。
白いパーツで見えにくいかも知れませんが、下側のエッジに注目していただくと、左右の印象の違いが分かりやすいと思います^^;
このように、ガンプラに限らず、プラモデルのほとんどの面が「平面」ではないので、綺麗に仕上げるならこの「整面処理」は必ずやっておきたいことです。
まとめ
今回は「整面処理」についてお話しました。
もう一度まとめてみると
・粗い番手の紙ヤスリで平面を出すイメージでヤスリ掛けをする
・「ヒケ」は最低限無くしておこう
・ヤスリには必ず「当て板」を使う
・エッジ出しもついでに「やる」か「やらないか」を決める
これらを意識して「整面処理」をすれば、素組みよりもワンランクアップした完成品になるはずです^^
最初は大変かも知れませんが、慣れてくると「ここはしなくてもいいかな?」とか「ここだけはしっかりした方がいいな」とか、分かってくると思います。
少し時間が掛かってしまう作業ですが、それに見合った効果が得られるので、ぜひチャレンジしてみてください。
それではまた~^^
最後まで読んでいただきありがとうございます!
他にもいろんな記事があるので、ぜひ参考になりそうな記事があればご覧ください。良ければ、記事の感想や質問などあればコメントでいただけると嬉しいです^^
コメント
バンダイエッジの処理、の一枚目の画像、エッジが解りにくいのでエッジ部分を丸で囲んで下さいませんか?
匿名さん、コメントありがとうございます!
こういったご指摘はとても助かります!
〇で囲むと分かり辛かったので、矢印マークをつけてみました。