そんな積みプラを一つ一つ崩していきます・・・。
積みプラ消化を兼ねてキットの紹介をしていく旧キットプラモデルレビュー記事。
今回は遂にパトレイバーの主役機、「BANDAI」から発売された「1/60 イングラム」です。
半年ほど前に再販されたパトレイバーシリーズのうちの1体です。
こちらのイングラムは「TV版」ということで、耳がオレンジ色になっています。コミックを確認してみましたが、3巻ぐらいまでは耳の先端に色は無かったのですが、4巻からは耳が塗られていました。もしかしたら、漫画版もどこかのタイミングで外観が変わったのかも知れません。
とまぁ、イングラムと一言で括っても、若干デザインが違うのも面白いところです。
パトレイバーシリーズの最初期となるNo.2のキットですが、はたして完成度はどのような感じでしょうか?
それではレビュー記事、始めます。
キットの内容だけを見たい方は目次の『イングラム内容説明』からご覧ください^^
「イングラム」について
90年にOVAからスタートした「機動警察パトレイバー」シリーズに登場する特殊車両二課のレイバーがこの「イングラム」です。
正式名称は「AV-98」。
ちなみに「パトレイバー」とは「パトロール・レイバー中隊」という対レイバー犯罪用の部隊の通称の呼び方で、たぶん本編内にはセリフとしては出てこなかったと思います。
篠原重工による開発で、その性能は通常の土木作業用レイバーを遥かに上回ります。その分、予備のパーツも多くは無く、破損パーツの交換も大変だと整備班のシゲさんもぼやいていました。
操縦者の操作の最適化をしてくれるOSが搭載されているので、扱えば扱う程、成長していくレイバーです。前回の「零式」に搭載されている「HOS」というOSは、イングラムのそれと違い「どのレイバーに載せても汎用的にサポートをしてくれる」というもの。逆にイングラムのOSは「AV-98の機体性能を最大限に引き出すようサポートをしてくれる」というもので、どちらが特車二課にとって有用か?という話もありました。
基本的に1号機には「泉野明」巡査、2号機には「太田功」巡査が搭乗しており、だいたいが「2号機が暴れて周囲に被害を出した後、1号機が取り押さえる」か「1号機が失敗し周囲に被害を出した後、2号機がさらに被害を拡大する」というのがお決まりのパターン(笑)
こちらのキットは、1号機と2号機のコンパーチブルキットなので、一部パーツを交換するだけでどちらも楽しむことが出来ます^^
さて、そんなイングラムをキット化した旧キット 1/60 イングラムは一体どんなキットでしょうか?
気になるキットの説明に行きましょう。
「イングラム」キット内容説明
「機動警察パトレイバー」に登場したレイバー「イングラム」をBANDAIが1/60スケールで再現したプラモデル。
ランナーは全部で5枚、パーツ数は全部で81パーツ。
ではパーツ構成を見てみましょう。
各ランナー紹介
こちらは「パーツNo.1~18」までのランナーです。
ボディや脚部のパーツが配置されてます。
今回のイングラムもフレームに外装パーツを取り付ける作りなので、大きなパーツ分割となっており、プラモ初心者でも作りやすく出来ています。
こちらは「パーツNo.19~54」のランナーです。
胸部や腕のパーツなどが配置されてます。
今回のキットは1号機と2号機のコンパーチブルキットなので、頭部と肩は2機分のパーツが配置されています。
3枚目のランナーは「パーツNo.55~70」のランナーです。
内部フレームと外装黒パーツ部分ですね。
クリアーパーツは緑と青の2つが入っています。
赤はパトランプ等の赤橙、緑はカメラアイのクリアーパーツです。
こちらも1号機と2号機の2つ分が配置されています。
ポリキャップとシールも各1つずつ。
警視庁マークなどがあるので、なんとか使いたいですがシールの段差はなんとかしたいところですね・・・。
ちなみに、1号機の肩の穴はシールで再現されています。
組立説明書は、このシリーズ恒例のボックスアートが描かれたポスターになっています。
ボディの質感やカメラアイの描きこみがめちゃくちゃカッコイイ1枚です。
組立内容
組立中の内容は動画でおおまかに紹介しています。ここでは抜粋したポイントを解説していきたいと思います。
ラバーパーツ製作
まずは定番のラバーパーツです。指定された箇所をハサミで切るだけです。
毎度のことですが「小さなハサミ」を使うと切りやすいかと思います。
これの為に小さいハサミを100均で買いましたが、この時はまだ大きいハサミで苦労しました(笑)
腕部製作
前腕部にポリキャップを仕込んで組み立て、ラバーパーツをかぶせたフレーム部分を差し込み、肩のパーツを組み立てた後、差し込むという仕組み。
今回は1号機と2号機のコンパチモデルなので、肩の部分は差し替えが可能です。
脚部製作
脚部は足先を作って、フレームに脛とふくらはぎの外装を組み込む流れですが、イングラムの場合は右脚のみ外装が可動するギミックがある為、若干左右の作り方が違います。
と言っても、開閉パーツを差し込んで作るかどうかの違いなので大差はありません。
この開いた部分には、武器のピストルが格納できます。
頭部製作
頭部も1号機と2号機、両方が用意されています。
今回は、前回の零式と違い、クリアーパーツを固定する部分がある(と言ってもとても小さい)ので、少しだけ楽な気がしました。
頭部は左右の貼り合わせで、さらに左右にアンテナパーツを取り付ける仕組みですが、このアンテナ部分が若干固定に難アリなので、ちょっとした弾みでポロリしてしまいます。
あと、2号機の噛み合わせがあまりうまくいきませんでした。たぶん、クリアパーツの位置の問題だと思うのですが、微妙な差でこのようになってしまうぐらいシビアな取り付け位置だと思っていただけると良いかと・・・。
胴体部
胴体も、貼り合わせた首パーツをボディパーツに挟んで前後を貼り合わせ、胸の黒いパーツを取り付けたあと、警察のマークをセンターに差し込んで完成です。(写真では警察マーク無いですが)
全く難しい部分はなく、内部の軸受けを含めてもわずか10パーツぐらいで構成されている簡単な作りです。
腰部製作
腰も写真の通り簡単で、軸のパーツに前後の腰外装を貼り合わせただけの部位となります。
この後、組み立てて、盾や電磁警棒を取り付けたら完成です。
素組み完成
ということで、素組みの完成です。
やはり肩幅が大きいというか、腕の位置が少し外側になっているのが気になりますね。
それでも、パッと見た時の印象はイングラムっぽさが非常に出ていて、プロポーションだけでいうと良キットだと個人的には感じました。
問題はやはりこの「ラバーパーツ」ですね。
これが悪さをして、キットの可動を大きく制限させてしまっています。
もししっかりと改造した完成品を作る場合、このラバーパーツをどうするか?を先に考える必要があるかも知れません。
各部ディテールやモールドなどはよく入っていて、素組みでも最低限のカッコ良さというものは感じられます。
ただ、ハンドパーツが写真の通りのクオリティなので、ここは余裕がある方は他キットのハンドパーツを流用するなりすると良いかも知れません。
腰の部分に車両ナンバーなどが入るのですが、その下にある丸い棒のような箇所、ここはワイヤーアンカーが巻かれている箇所で、原作では1号機の泉野明がこのワイヤーを使ったレイバー戦を披露してくれています。
写真では見えないですが、爪でなぞると段差がしっかりと入っているのが分かるので、ディテール再現はされているのですが、肉眼でも見えないぐらい細かい為「素組み派」の方はあまり恩恵を感じない部分です。
このキット唯一の可動ギミックとして用意されているのが、右脚横にある開閉ギミックです。
ここには拳銃が収納されており、原作ではここから拳銃を取る際に、イングラムの手首が伸び(前回の零式の抜き手ハンドパーツのような感じ)て拳銃を取り出すアクションがあります。
が、この1/60キットでは再現どころか差し替えパーツも用意されていません。
ここはファンとしては少し残念ですね。
何度も言いますが、今回は1号機と2号機のコンパーチブルキットということで、頭部はもちろん肩パーツも2機分用意されています。
写真の左が1号機、右が2号機です。
見た目はあまり変わらないように見えますが、細部のモールドや形状が若干違うあたりは嬉しいポイントです。
両方とも肩のパトランプ部分はクリアーパーツで再現されているので、ここも好ポイントですね。
全体的に貼り合わせのモナカキットなので、合わせ目はほぼ全てに入ります。また、関節付近や肩など、覗くと内部が丸見えみたいな感じが多いので、作り込む方にとっては気になる箇所が多く感じるキットではないでしょうか。
完成ポージング写真
まずは1号機から。
続いて、2号機です。
可動に関しては写真のような感じが限界なので、ポージング表現としてはあまり良いものとは言えません。
関節可動を改造してグリグリに動くキットへ改造したいという方なら、このキットはやりがいのあるキットだと思いますが(笑)
「1/60 BANDAI イングラム」レビューまとめ
今回のレビューは以上となります。いかがでしたか?何か参考になっていただければ幸いです。
個人的には、「イングラムとしての完成度は高い」と言ってもいいですが、「プラモデルキットとしての完成度は低い」と言える、なかなか評価し難い完成度だと感じました。
可動に関してもラバーパーツの制限もあり、良いものとは言えません。
たぶんこのキットは、ある程度ディテールアップした後、キレイに仕上げて、立ち姿固定などで完成させると思います(これも後日製作予定です)。
「パトレイバーファンでイングラムが好き」という方なら、この姿は飾ってても嬉しいと思うのでオススメですが、「ガンプラ以外で何か作ってみようかなぁ~」程度でこのキットを作るとなると、別のキットの方がよいかも知れません。
例えば、今なら他社から発売されているイングラムもありますし。
次回は、またまた聖戦士ダンバインよりあのキットをレビューします。
それでは、次回も楽しみにお待ちください^^
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↑ちなみに定価は¥1,430円(税込)なので、購入時の価格にはご注意ください。
あなたも眠ったままの「積みプラ」を組み立ててみてはいかがでしょうか?
最後まで読んでいただきありがとうございます!
他にもいろんな記事があるので、ぜひ参考になりそうな記事があればご覧ください。良ければ、記事の感想や質問などあればコメントでいただけると嬉しいです^^
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