まいどおおきに!Akidou(@Akidou123)です。
今回は「後ハメ加工」ってそもそも何なのか?どういう時に役立つのか?と言った内容を、ガンプラ初心者にも分かりやすく説明してみたいと思います。
目次を用意しておくので見たい箇所だけ見ていただければ良いと思いますが、出来ればゆっくり最後まで読んでいただけると嬉しいです^^
※やり方の例はあくまでも私、Akidouのやり方であり、必ずしも同じやり方が正しいというわけではありません。
まずは「後ハメ加工」の説明から
「後ハメ加工」とは、(おそらく)「後からハメ込むことが出来るようにする加工」の略だと思いますが、いつ誰が最初に言い始めたのかは不明です。(笑)
たぶんHobbyJapanなどの雑誌がきっかけだと予測しているのですが、少なくともガンプラのような「スナップフィットキット」以降の言葉であることは間違いありません。
それは何故かと言うと、そもそも「後ハメ加工」は「スナップフィット」の構造上、組み立てた後に塗装が大変だから考えられた加工だからです。(と言うかキャラクタープラモデル特有の概念と言えます)
旧キットなどの接着剤を必要とするキットは、始めから塗装後に接着すればいいですし、一体成型の塗り分けはマスキングによる塗り分けが当たり前でした。
では、「後ハメ加工」とはどういった加工を言うのか?前述した「後からハメ込むことが出来るようにする加工」って何?って話です。
後ハメ加工とは「塗装をしやすくする為」の加工
先程ちらっと言いましたが、「後ハメ加工」とは「塗装をしやすくする為に施す加工」のことです。
例えば、写真のパーツは「1/144スケールシリーズ イージスガンダム」の腕ですが、肩と腕のパーツの接続を見てみると、肩の前後パーツに挟むように腕を組み込むようになっています。
この場合、肩の合わせ目消しをする為に接着剤を使用すると、腕のパーツはもう外せなくなりますね。
そうして完成した腕の一番上のブロック(接続ピンがついている箇所)を塗装しようとすると、狭くてかなり大変ですし、肩の内部をグレー等で塗りつぶそうと思うと腕パーツが邪魔になってしまいます。
そこで「後ハメ加工」を施すことで、肩と腕、それぞれ合わせ目消しをした上で塗装をして、最後に組んでしまおうというわけです^^
仮に後ハメ加工した場合、写真のように肩と腕パーツを個別に分けることが出来ます。これだとそれぞれ塗装が楽ですね。トップコートまで吹いて最後に組み立てれば完成です。(写真の箇所の加工方法は後述します)
このように「後ハメ加工」というのは、組み立ててしまったら塗装しにくいなぁと思う箇所の組み立て工程を変更できるように加工することなんですね^^
もちろん、後ハメ加工をしなくても塗装が出来そう場合は何もしなくてもいいんです。さきほどの例も人によっては「これだったら筆で塗るからいいや」とか「加工が面倒だから先に腕を塗ってから肩を組もう!」など、人それぞれですので、正解はありません。
この「後ハメ加工」が必要になるシチュエーションとして多いのは「パーツとパーツを合わせる時に別のパーツを挟み込む時」なので、近年のガンプラのような構造が細かく分かれている場合は、そもそも塗装がしやすい構造の為「後ハメ加工」が必要ありません。(たまーに必要な時がある程度)
このシチュエーションが多いのは、スナップフィットの「1/144 (1/100)」シリーズ(TVアニメ放送と同時に展開した系)、「初期No.のHGUC」、「旧HG」シリーズ(Wシリーズ等の「HG」という冠だけついたガンプラ)などですね。
※ちなみに接着剤を必要とする「旧キット」は後ハメ加工はしないのか?と言うと、別にそういうわけではありません。キットによっては同じように後ハメ加工することで塗装が楽になるものあるでしょう。ただ、スナップフィットのように「ピン」や「ダボ受け」がそもそも少ないので、どちらかと言うと加工と言うより「改造」に近い加工が必要です。
それでは、先ほどのパーツを実際に加工してみましょう。
後ハメ加工の一例
今回の例は基本的な「後ハメ加工」になるので、同タイプのものはだいたい同じやり方で通用すると思います。
必要な工具は「デザインナイフ」1本で問題ありません。ニッパーでがっつり切り抜きたいと思うかも知れませんが、切った時の力の逃げ道がパーツ側に行くことで思わぬ破損に繋がる為、あまりオススメ出来ません。
まず、それぞれのパーツをバラバラに組んでみましょう。
最終的にこの腕のパーツが肩の内側のピンの内部に入れば良いので、まずはイメージしながら実際にテストで差し込もうとしてみましょう。すると・・・
腕側の接続ピンが肩のパーツと干渉するので、どこからどう入れようとしても入りませんね。ということは、以下の2択になります。
- ピンをギリギリまで削る
- 肩の一部を切り抜く
「肩の一部を切り抜く」のは、見た目も変わってしまうので、これはNG。では、「ピンをギリギリまで削る」だとどうでしょうか?そうすると、おそらくピンの接続がまったく無くて、後ハメが完了しても肩のパーツが緩くなってしまうでしょう。(ピンとダボ穴が接地する面が狭ければ狭いほど緩くなります)
どちらもダメな場合、「無理矢理差し込めないか」やってみましょう。と言っても、力技ではダメです。分かりやすく例えると、「知恵の輪」の要領ですね。
どうやらこの辺りの位置までこの向きで腕を肩内部まで入れて、少しひねるように回転させると・・・
このように肩のパーツに引っ掛かることが出来ました。(この時点ではまだピンはズレたままですが、ストレートに差し込むにはピンを削る必要があったことに対し、こちらは加工せずとも内部に入ることが出来ました)
ちなみに、今はテスト段階ですが本番は肩のパーツもして合わせ目を消している状態だと思うので、パーツが少し開くというようなことはありません。つまり、無理矢理入れた時に肩のパーツの合わせ目が少しでも開くようであれば、その入れ方は本番環境では不可能ということになります。
テストでやる場合は、肩のパーツが広がらないように指で押さえた状態で試すようにしましょう。(写真は肩のパーツが少し隙間空いてますが、しっかり合わせても入ることは確認済みです)
ここまで入ったら後は簡単です。ダボ穴とピンの位置関係からして、(写真のように)ダボ穴の横側から腕をスライドさせてあげると良さそうなので、だいたいのピンの位置を把握したら、一度肩のパーツを分解します。
余談ですがこういう時、パーツオープナーがあるとめちゃくちゃ便利です。
肩のパーツのダボ穴の切り抜きたい箇所をマジックで印付けしておくと、分かりやすいと思います。マジックの箇所にピンを当ててみて、ピンの直径とだいたい同じ長さ(後で調整するのでだいたいでOK)であれば準備は完了です^^
ここから工作の開始です。
デザインナイフでマジックの両端に近い位置(最初は少し狭くが安全)に写真のように切れ込みを入れます。一度に貫通は不可能なので、少し力を入れる程度でOKです。
今度はマジックの印の部分を削ります。この時、先ほどの切れ込みがストッパーの役割を果たしてくれるので、最初の切れ込みと同じ深さぐらいまで削ったら、新たにもう一度同じ箇所に切れ込みを入れ直します。
例えば、図のような削り方が良いかと思います。(書き忘れましたが左上⇒右上⇒左下⇒右下の順番)
茶色の切れ込みがストッパーになるので、まず①のようにナイフを入れて片側のストッパーで止めて赤い部分を削ります。次に反対側から②のように削り、最後に残った部分を平坦にする為に③のように削ります。
上記のような切り方を細かく繰り返し、ピンの長さより深く削れたら、試しに片側だけでピンが通るかチェックしましょう。この時、狭すぎたら無理矢理押し込むことはNGです。少し力を入れても入りそうになければ、写真で残っているマジックの部分(最初に切れ込みを入れた箇所)を縦にナイフを入れて若干広げます。
調整を繰り返し、いい感じに軽く押し込んだら入る状態がコチラです。これをもう一方の肩パーツでも行います。
ただし、余裕で入るようであれば削り過ぎになるので、まずは「これだと狭いかも?」という状態から徐々に広げて調整することをオススメします。(削り過ぎるとリカバリーが必要になり、また違う技術が必要になってきます)
2パーツ分加工が出来たら、肩のパーツを貼り合わせて(まだ接着はしません)本番環境でテストです。この時、肩の2パーツの加工した穴の位置がずれていると上手くいかないので、加工段階で何度かパーツを貼り合わせて大きくずれていないかどうかだけチェックしておくといいと思います^^
上手くいったら、取り外す時は「肩のパーツを分解して」外すようにします。差し込んだ動きと反対の動きで引っ張り出そうとすると破損に繋がることもあるのでオススメしません。僕はいつも3回ぐらい、パチッ⇒分解⇒組み立て⇒パチッ⇒分解⇒・・・と繰り返してチェックしています。(この時力の入れ具合をチェックして硬ければ少しだけ削ってもう一度行います)
これで、後ハメ加工は完成です。写真のようにちゃんと入って、可動も問題なく出来ているかチェックします。
このダボ穴の加工のやり方さえ覚えたら、同じような構造のパーツはだいたい対処できますので、ぜひ活用してみてください^^
↑パーツを取り外す時は面倒でも毎回パーツをばらして外すようにします。
ただし、もう一度お伝えしますが、「後ハメ加工をする必要がなさそうであれば無理にしなくていい」加工ですので、よく考えて加工を始めましょう。
特に「関節」のように「可動」をする部分の後ハメ加工は、組み立て後の可動に影響が出やすいです。例えば、肩が落ちたり腕が下がってきたりする場合もあります。必ず後ハメ加工をする時は、その加工によりどう影響があるのかを考え、そのリスクと塗装を面倒でも頑張るリスクと比べて考える方が良いと思います^^
まとめ
今回は「後ハメ加工」って何?という内容でした。お疲れさまでした^^
まとめると以下のようになります。
- 後ハメ加工とは、塗装をしやすくする為に塗装後に組み立てられるように加工すること
- 加工して塗装後に組むか、塗装を先にしてから後で組みこむか、やり方は自由。
- 部位によっては、後ハメ加工をすることで可動に影響が出ることがある
- 加工をするならイメージチェックは必ずしよう。
後ハメ加工は、一度手を入れると引き返せなくなるので、最初は勇気が必要です。
しかし、どのシチュエーションでも必ず何パターンかのやり方を用いて加工するので、慣れてしまうと作業自体は簡単に出来ると思います^^
むしろ後ハメ加工で難しいのは、そこを加工することで生じるリスクや、加工に保険をかけながら慎重に作業する「リスク回避」を事前に認識できるかどうか、だと個人的には思います。
まずは、余っているキットや途中で作るのを諦めたキットなどを使って、(後ハメする必要が無くても)練習してみましょう^^その際に、先にイメージで「どう影響が出るのか」「どこをどう加工したらスムーズに後ハメが出来そうか」などを考えながら行うと練習になると思います!
パターン別に何種類か紹介している記事もあるので、良ければそちらも合わせてお読みください。
【ガンプラ初心者向け】後ハメ加工ってどうやるの?後ハメ加工攻略パターン!【画像付】
それでは、また~(‘ω’)ノ
コメント