そんな積みプラを一つ一つ崩していきます・・・。
積みプラ消化を兼ねてキットの紹介をしていく旧キットプラモデルレビュー記事。
今回は「タカラ」から発売された、アニメ「装甲騎兵ボトムズ」に登場する「1/24 スコープドッグ ラウンドムーバータイプ」です。
昭和58年に放送されてから今も人気の高い「装甲騎兵ボトムズ」に登場するAT(アーマードトルーパー)ですね。
ボトムズのアニメは昔観たことがありますがうる覚えです。そしてボトムズキットを自分で作るのは初めてとなります。
ボトムズのプラモデルは、タカラ以外にもバンダイやウェーブ、ユニオンなど複数のメーカーから発売されたことがあり、今回はタカラ(現タカラトミー)版のキットです。
スコープドッグと言っても種類はたくさんあり、あまりボトムズに詳しく無い方からすると「同じような見た目のスコープドッグが様々なスケールで複数のメーカーから発売されている」という、混乱してしまいますよね。
僕も同じです(笑)
なので、そういった方と同じ目線でレビューしていくので、ご安心ください。
ちなみに、このタカラ版のボトムズは、たくさんの方が「名キット」として賞賛している素晴らしいシリーズのキットですので、初めてボトムズを作る方はこの「タカラ版」を作ってみるのが良いかと思われます。(今ではかなりプレミア価格となってますが)
はたして完成度はどうなのでしょうか?
それでは作っていきましょう。ぜひ最後までご覧ください^^
↓動画でもご覧いただけます。
キットの内容だけを見たい方は、目次の『スコープドッグ ラウンドムーバータイプ キット内容説明』からご覧ください。
「スコープドッグ ラウンドムーバータイプ」について
1983年に高橋良輔監督の作品として放送された「装甲騎兵ボトムズ」は、「太陽の牙 ダグラム」に続くリアルロボットアニメとして人気のあった作品です。
これまでの「機動戦士ガンダム」のようなSF要素が強い設定ではなく、戦争や政治、兵器をリアルに描いた作風として、今でも根強いファンが多いアニメです。
そこに登場するのがこの「AT(アーマードトルーパー)」と呼ばれる人型兵器。
大きさは約4m程と小さく、劇中ではその異名を「動く棺桶」と呼ばれていました。ちなみに、東京にある「稲城長沼駅」前にはスコープドッグの等身大モニュメントが設置されています。大河原邦夫氏によるデザインということで、地元である稲城市にはボトムズ以外にも数々の作品が展示されています。
実は以前訪れており、その際に撮影した写真です。近くに水路があり、柵にはスコープドッグやヤッターワンのレリーフがありました。お近くの方でご興味がある方はぜひどうぞ。
話は戻して・・・
今回のキットはラウンドムーバーとパラシュートザックの2点が付いたピンク色のスコープドッグです。
「ラウンドムーバー」とは宇宙戦用のバックパックで、複数のバーニアが付いているのが特徴です。「パラシュートザック」とは地上の降下作戦時に使用するバックパックで、名前の通りパラシュートが装着されています。
ピンク色なのは「メルキア軍カラー」ということで、緑色のスコープドッグが有名ですが所有する軍によってカラーが違っている場合があります。
つまり今回のキットは「メルキア軍カラーの降下作戦用パックと宇宙戦用パックが付いたスコープドッグ」ということですね。
ファンからは「スコタコ」と呼ばれており、頭部の形状が蛸のようであるから「スコープドッグ」と「タコ」を掛け合わせた呼称のようですね。(誰が言い始めたのか)
スコープドッグの特徴として、内燃機関が存在せず、駆動はすべて「マッスルシリンダー」と呼ばれる人工筋肉で賄われていること。詳細は割愛しますが、電気信号による化学反応で伸縮するそうです。
頭部には3つのターレットレンズがついており、ここで映る映像はパイロットのゴーグルに直接投影されるようになっています。
腕には火薬の爆発による加速度的打撃を与える「アームパンチ」、足裏には地面を滑走する為の「ローラーダッシュ」と、機体そのものに豊富な戦闘用機能が備わっています。
それに加え「ヘビィマシンガン」や「カタパルトランチャー」「ソリッドシューター」などの武器を好みにカスタマイズできるというカスタマイズ性も兼ね備えています。
このスコープドッグを元に様々なバリエーション機が存在しているので、ボトムズ初心者の方はまずこの「スコープドッグ」を調べてみることから始めると良いのではないでしょうか。
1/24スケールなので、数あるボトムズキットの中でも大きいサイズになる今回のキット。
果たして完成度はどうなのでしょうか?気になるキットの説明に行きましょう。
「スコープドッグ ラウンドムーバータイプ」キット内容説明
箱横の完成イメージです。めちゃくちゃカッコイイですね!キリコ(主人公)のフィギュアも付くそうです。
ランナーは全部で10枚、パーツ数は全部で214パーツ(キリコパーツ含む)。
ではパーツ構成を見てみましょう。
各ランナー紹介
各ランナーです。
成型色は3色で、本体に2色、バックパックで1色となっています。昔のキットなので無塗装では再現性は高くありませんが、雰囲気はしっかり感じられる成型色なので嬉しいですね。
同スケールの「キリコ」のフィギュアも付いています。しかも2体。1体はスタンディングポーズ仕様のもので、もう1体は本体の中に搭乗するタイプです。
組立説明書と塗装見本です。
タカラキットは、比較的組み立てるのが難しい印象があり、こちらも例外になく難しい内容の組み立てと感じました。さらに接着タイプのキットなので、しっかりと確認をしながら組み立てないと、間違った場合、修正がかなり大変です。
塗装見本にはカラーバリエーションの作例なども載っているので、見ているだけでも楽しいです。
こちらのキットには関節にポリキャップが使用されているので、関節等の動きはまだ安心できるかもしれませんね。
そして水転写デカールもついています。単体で袋に入っているので、もしかするとまだ生きている可能性は高いです。(色も変色していない気がします)
スコープドッグはマーキングがたくさんある方が似合っていると個人的には思うので、このデカールはぜひ使いたいですね。
素組み完成
ということで、素組み完成です。
やはり1/24スケールの存在感は大きく、どっしりとしたキットとして楽しめます。
旧キットなので、パーツの合いなどは若干隙間が空いたりしてますが、大きなズレなどもなかったです。ただやはり、作る時に難しいと思うようなポイントはいくつかあり、プラモデルに作り慣れていない方は心折れる部分もあるかも知れません。
それにしても完成度の高さは、当時のキットと考えると、信じられないぐらい凄いキットだと感じました。
各部ディテールもしっかりと再現されているし、絶妙なバランスがATらしさを再現していて素晴らしいと思います。
とは言っても、当時のキットならではの問題点もあるので、その辺りも書いていこうと思います。
合わせ目は、各部ほとんどモナカ合わせなので、中心に入っている箇所が多いです。ディテールを跨ぐ部分も多いので、合わせ目消しは大変かも知れません。
肩や脚などのリベット表現も再現されているのが写真でもお分かりいただけると思います。塗装するだけでもかなり印象が引き締まるでしょうね。
頭部含め、ボディの上部はハッチオープンするので、その辺りも後述します。
写真のバックパックは「ラウンドムーバー」を装着しているのですが、ディテールもかなりしっかりと再現されており、こちらも形状としてはとても素晴らしい仕上がりとなっています。
それでは簡単に可動をチェックしてみましょう。
頭部にあるターレットレンズは、左右にスライドすることが出来ます。レンズパーツから伸びた軸をバイザー裏側で止めるだけの簡単な構造ですが、可動自体はスムーズです。
3連レンズは回転することが出来ます。当時でこの可動を再現できているのは驚きです。ちゃんと土台部分は残してレンズパーツだけが回転する仕様なので、これは嬉しいギミックですね。
頭部のバイザー部分は持ち上げることで可動します。中にキリコフィギュアを入れておけば、ここからキリコの顔が覗けるようになっています。
注意点としては頭部左側についているアンテナパーツ。先が細いことと接着ということもあり、あまり勢いよくバイザーを上げるとバックパックなどにアンテナがぶつかってしまい、最悪折れる可能性があるので注意しましょう。
頭部の下のボディを持ち上げるとコックピットが現れます。
内部のシート周辺のディテールも、気が利いたパーツを用意してくれており、狭いコックピットの雰囲気が良く再現されていると思います。
ハッチ蓋裏にもしっかりとディテールが入っているあたりも注目ポイントですね。
シートは中から抜き取ることが出来、キリコフィギュアを乗せた状態で内部に収納することで、コックピットに座らせることが可能です。
写真のキリコは少し腕の角度が上手くいっていないですね(笑)
操縦桿を上手く握っているような角度で腕をつけるのが正解のようですが、何故かせんだみつおの「ナハナハ」みたいになっています。(ネタが古い)
メンテナンスハッチとなる部分もしっかりと開閉ギミックが用意されています。
ただ、可動の軸が非常に短く、可動は出来るものの少し不安な部分ではあります。補強が出来るのであれば軸の改造などはしておきたい部分ですね。
腰の周囲のアーマーは各部可動します。
ただ、ここも昔のキットらしいと言うか、プラプラとぶら下がっている状態なので、非常に玩具っぽい印象があります。まぁポーズを取って飾ったり撮影したりする際には分からない事ですが・・・
やはり多少はしっかりと動かせるぐらいの可動軸にしたい部分ですので、ここも改造するポイントとなるでしょうか。(気にならない方は問題無いと思います)
肩のフックなども可動します。(ここもプラプラです)
この辺りはディテールアップという意味で金属線に変更しても良い部分だと思います。
キットのままで作る場合はパーティングラインだけ気になると思うので、念入りに処理した方が良さそうですね。
上腕にはロール回転軸があるので、腕の回転は問題無く出来ます。
が、ここの噛み合わせがとてもキツく、回転により肩のパーツが合わせ目で割れる可能性があります。(個体差あるかも知れません)
組立の時は回転を確認して、ほどほどに緩くなる程度に調整した方が良さそうです。
両手の腕には「アームパンチ」の再現がされています。
難しい可動軸などは無く、簡単なハメ込み式のスライドギミックの為、動きが軽いです。
しかし、ここの手首の接続側のパーツですが、パーツの構造的に手首の箇所しか接着面がありません。
なのでアームパンチをする為にスライドした際、上下に力を入れると接着面が割れる可能性があります。まぁ注意しながら動かせばそんな事は起こらないと思いますが、万が一ということもあるので、内部にプラ板を一枚補強しておくなど、何かしら対策はしておいた方が良さそうです。
ボディ自体は腰の回転可動のみです。これはスコープドッグの構造上仕方ありませんね。
脚は付け根でハノ字に開くことが出来るので、立ち姿はカッコ良く決まります。
膝はあまり曲がらず45度程度でしょうか。足首も若干の前後左右への可動は出来ますが、少し接地が良くなる程度です。
さらに、足先も少しだけ可動します。
足裏もしっかりとローラーダッシュの再現などがされているので、隙がありません。さすがですね。
写真右側は爪先を少し可動している状態です。
動画のコメントで教えてもらいましたが、股関節にあたる部分のパーツがすぐに割れるとのことで、後にウェーブから販売された同キットの再販時は、追加パーツとして股関節パーツがついているみたいです。(ウェーブHPより)
僕はまだ激しい可動はしていないのですが、もしかすると割れる可能性もあるので、ここも製作時には何か対処しておく方が良いかも知れませんね。
おそらく「ヘビィマシンガン」です。(説明書に記載が無かったですね)
本体と比べるとかなり大きな銃で、横に120発入りの弾倉がついています。銃身の上にあるのは単発のグレネード発射口とのことです。
カッコいい武器ではあるのですが、問題は次のパーツ。
キット付属のハンドパーツは2種類が両手分用意されているのですが、平手と握り手となっており、ヘビィマシンガンを持たせるには、平手の方に接着しないといけません。
気持ち「トリガーに指をかけているような形状」の平手ですが、やはり、手にくっついている感が否めないのは少し残念なポイント。
ちなみに前述したウェーブ版には、新造された手首の追加パーツがあったそうです。
ハンドパーツはスコープドッグにおいてはかなり目に入る部分だと思うので、キットのままよりも違うハンドパーツを用意したいところ。(パテなどでも作れそうな感じはしますね)
こちらは宇宙戦用のバックパック「ラウンドムーバー」です。
結構ディテールがしっかりとしており、モールドを彫り直したりキレイに作るだけでも見映えは良くなりそうな気がします。
タンクやサイドにあるチューブの取り付けには苦労したので、作る際はしっかりと確認しながら作りましょう。
そしてこちらが、降下作戦時につかう「パラシュートザック」です。
こちらもかなり良い造形で、ベルトの再現やパラシュートの再現もなかなか良い感じです。
少しディテールが甘い部分もありますが、こちらもキレイに作るだけでも十分だと思うので、丁寧に作りたいところ。
取り付けはどちらも背中にあるフックに引っ掛けるだけなので、接着しなくて良いのは嬉しいポイントです。
しかし、そのフックがボディに接着するタイプなので、過度な力で外れてしまう可能性があります。ボディ内部から真鍮線などを通して強度を追加しておくと安心できます。
キリコフィギュアだ!!・・・あれ?キリコ・・・さんですか?(笑)
キリコフィギュアは嬉しいのですが、よーく見ると少し顔が似ていません(笑)
鼻が大きいのかな?ちゃんと塗装すればもしかすると、もう少し似てくれるかも知れませんが、まぁここはオマケみたいなものなので仕方無いと言えば仕方ありません。
ついてくれているだけでも有難いですからね!
「タカラ 1/24 スコープドッグ ラウンドムーバー」レビューまとめ
今回のレビューは以上となります。いかがでしたか?何か参考になっていただければ幸いです。
この「スコープドッグ ラウンドムーバータイプ」は、今は懐かしき「タカラ」のキットですが、かなりカッコイイ「スコープドッグ」を楽しむことが出来る名キットだと感じました。
可動としては完全に満足いくようなものでは無いですが、立ち姿やスタイル、各部のディテール再現など、少し手を入れるだけでもカッコイイ仕上がりになることが良く分かるキットなので、作り甲斐がありそうですね!
他にも、旧キットの積みプラがたくさんあるので、順番にレビューしていこうと思います。気になってくれた方はぜひブックマーク登録お願いします。出来ればYouTubeチャンネルも登録していただけると嬉しいです。
ということで、次回のキットはこちら。
さて、このパーツはいったい何のキットのパーツでしょうか?
今回は全部で4枚あります。後ろの画像に向かって難易度が下がります。ぜひ挑戦してみてください。
ヒントは「ファミコンのロボット?!」です!ぜひ次回のレビューもよろしくお願い致します!
それでは、次回も楽しみにお待ちください~
今回レビューしたキット
↑キットの画像をタップして「駿河屋」で在庫をチェックしてみよう!
※定価は当時価格で1,540円(税込み)です。
あなたも眠ったままの「積みプラ」を組み立ててみてはいかがでしょうか?
最後まで読んでいただきありがとうございます!
他にもいろんな記事があるので、ぜひ参考になりそうな記事があればご覧ください。良ければ、記事の感想や質問などあればコメントでいただけると嬉しいです^^
コメント