そんな積みプラを一つ一つ崩していきます・・・。
積みプラ消化を兼ねてキットの紹介をしていく旧キットプラモデルレビュー記事。
今回は「アオシマ」から発売された、アニメ「魔境伝説アクロバンチ」に登場する「1/72 Cメカ バンチャー・ホーネット」です。
1982年に放送された「魔境伝説アクロバンチ」に登場する主役機「アクロバンチ」の分離形態の1つです。
以前レビューした「Aメカ バンチャー・アロー」はバイク型でしたが、今回は車タイプとなっており、合体時は脚になるメカです。
作中では登場シーンが結構多かった印象ですが、戦闘シーンはあまり無かった気がしますね。
はたして完成度はどうなのでしょうか?
それでは作っていきましょう。ぜひ最後までご覧ください!
↓動画でもご覧いただけます。
キットの内容だけを見たい方は、目次の『バンチャー・ホーネット キット内容説明』からご覧ください。
「バンチャー・ホーネット」について
1982年に放送された「魔境伝説アクロバンチ」。
大秘宝「クワスチカ」を求めて蘭堂ファミリーとゴブリン一族の戦いを描いたアニメですが、世間一般的には「マイナー」と言われるアニメのうちの1つです。
キャラクターデザインとしては、今となってはあの「いのまたむつみ」さんのデビュー作ということも注目するべき点ですね。
さて、今回の「バンチャー・ホーネット」は、アクロバンチの脚にあたるメカで、左右でそれぞれ1機ずつ構成されています。
作中では見た目は普通の車(サイズ感のこと)ですが、パッケージ横の設定を見てみると・・・
■全長:7.4m
■高さ:2.25m
■幅:3.0m
■重量:11t
■出力:20,000馬力
と、意外と大きいことが分かります。
全長はマイクロバス(7.0m)より少し大きく、幅は重機を運ぶ際に使われる通称「299」(2.99m)と言われるトレーラーとほぼ同じ、高さがハイエースのグランドキャビン(2.285m)とほぼ同じのようです。
・・・やっぱりアクロバンチの中が居住区というのが納得いきませんね(笑)
一応正面に「バンチャービーム」というビーム砲、タイヤは10年使用できる「特殊ホロータイヤ」、背面には「ジェット噴射口」、剥き出しのエンジンは「V8パワーエンジン」と、当時の子供ならワクワクするような構造をしたスーパーカーです。
でも、肝心の「アクロバンチ」自体が少し子供受けしにくいロボットなので、あまり子供受けは良くなかったんじゃないでしょうか。
しかしこの「バンチャー・ホーネット」、大人になった今見てみるとそれほど悪いデザインではないと個人的には感じます。
スーパーカーであり、ロボットの脚でもあり。設定としてはワクワクさせてくれますよね。
果たして肝心のキットの完成度はどうなのでしょうか?気になるキットの説明に行きましょう。
「バンチャー・ホーネット」」キット内容説明
箱横のイラストイメージです。
ランナーは全部で3枚、パーツ数は全部で51パーツ。
ではパーツ構成を見てみましょう。
各ランナー紹介
各ランナーです。
青一色のランナーなので、設定再現には塗装が必須となっています。
組立説明書と塗装ガイド、アンケートハガキと水転写デカールがついています。
今回も水転写デカールがついていますが、おそらく使えないんじゃないかなぁと思います。
まぁ当時モノだとしたら相当劣化していると思うので、中古で買う予定の方はあまり期待しない方が良さそうです。
素組み完成
ということで、素組み完成です。
思っていた以上に車としてのスタイルもかっこよく、それなりにディテールも入っているので、丁寧に仕上げるだけでも化けてくれる期待がもてます。
サイズ感的には少し小さい印象ですが、合わせ目はほとんど目立たないのも予想外でした。
ただ、フロントガラスがクリアーパーツではないので、ちょっとリアリティに欠けてしまいます。
とは言え、内部の再現もされていないので、クリアーパーツに改造するとなると、+αで再現しないといけないものが増えるので、至難の業です。
フロントガラスは変形後、アクロバンチの膝当てになるので、もしかすると設定では状況によってクリアー化されるような特殊なガラスを使っているのかも知れませんね。(箱横のイラストには「特殊フロントガラス」と書いていたのでそういう意味だったのかも?)
さすがに当時のプラモデルらしく、エッジの緩さなどは目立ちますが、形状などは悪くないです。
箱絵と見比べると色々と違う点は多いですが、細かい部分の再現もされているので、そのまま塗装をして仕上げてもカッコイイ「バンチャー・ホーネット」に仕上がってくれる気がします。
YouTubeの動画のコメントで「パチモンのミニ四駆みたい」とあり、思わず笑ってしまいましたが、確かに上から見てみるとそう感じますよね(笑)
そう考えると、しっかりと「車」としての形状を再現出来ていると言えるんでしょう。
リアウイングの差し込みピンですが、本キットで最も注意するべき部分です。
このパーツ、変形時には取り外すので抜き差しする必要があるのですが、穴とピンのサイズがピッタリすぎて折れやすい部分となっています。
キットを作る際は、穴の拡張、またはピンを削るなどで少し外しやすいように調整することをオススメします。
実際僕はピンが折れたので瞬着でつけて一時しのぎしています。だから少し浮いているんですね(笑)
タイヤは前後でサイズが違い、前方が小さく、後方が大きいサイズとなっています。
さらに、タイヤ自体はどちらも回転するように作られているので、おもちゃのように地面を走らせることが出来ます。
アオシマさんの「遊ぶプラモデル」感を感じられるポイントです。
底面はこのように空洞となっています。
これは変形合体時にボディ側面が収納される場所となっている為です。
裏側から見ていただくと気付くと思いますが、タイヤのすぐ後ろにヒンジのような部分があると思います。
ここを基点にタイヤ側の側面を回転して、内部に収容するように開くことで変形するという仕組み。
ヒンジも何もかも全て「プラ素材」で再現していることが驚きですが、この変形構造を考えて再現したことは素直に「凄い」と感じました。
変形時に使用する差し替えパーツです。
(左上から右に)足底、膝関節、膝装甲、下の丸いパーツは左右に取り付けるパーツで、アクロバンチのイメージを見る限り「膝」と「足首」の可動軸に当たるパーツのようです。
これらを使って変形するわけですね。それでは変形してみましょう。
アクロバンチの脚への変形
車状態からパーツを外していきます。
まず、フロントバンパーとウイング、V8パワーエンジンをキットから取り外します。
リアバンパーを取り外して、フロントガラスの後ろ側のパーツを若干浮かして回転します。
ちなみに、このリアバンパーが左右と中心のパーツの「ロック機能」の役割を果たしています。
ここを外すとタイヤ側のパーツが動かせるようになるわけですね。
フロントガラスを前方にスライドするように動かします。
その時に溝に膝となるパーツを差し込み、裏側の小さなピンを本体側に差し込むことでパーツを固定することが出来ます。
左右のタイヤ側装甲を回転させて後ろ側に動かします。
ヒンジとなる部分の接着がしっかり出来ていないと、この回転動作の時にパキッと外れてしまう可能性が高いので、注意しながら動かしましょう。
回転したら、足底のパーツを差し込みます。
この足底のパーツが脚形態の時のロック機能の役割を果たしています。
写真の右側の小さなパーツが2つあるのが見えると思いますが、これを「外す」のか「外さない」のかが説明書やアクロバンチのイメージを見ても分かりません。
たぶん形状的に「外す」のが正解だと思うのですが、詳しい方いたらコメントで教えてください
左右の穴に丸いパーツを取り付けます。
これが各可動部の軸となる部分なのですが、軸カバーとは思えないパーツなので、ちょっとカッコ悪いパーツでもあります。
どうせ差し替えパーツなので、それっぽいパーツを自作してしまっても良さそうな部分ですね。
最後に膝関節となるパーツを差し込んで、脚の先端部分を前へ突き出したら変形が完了します。
この膝関節は若干の可動域があるので、合体した時も少し可動してくれるようです。(と言っても45度ぐらいしか曲がりませんが・・・)
裏側を見るとこのように隙間が目立ってしまいます。
アクロバンチの後ろ側イメージの資料がなかなか見つからないので、ここが本来どうなっているのかが分からないのですが、おそらく塞がっていると思います。
車の時のボディ形状もあるので、ここに手を加えるのは非常に難易度が高い部分だと思います。
どうもこの当時のキットは、「後ろ側」からの見た目をあまり重要視していなかったのかなぁと感じますね。
「アオシマ 1/72 バンチャー・ホーネット」レビューまとめ
今回のレビューは以上となります。いかがでしたか?何か参考になっていただければ幸いです。
この「バンチャー・ホーネット」は、スーパーカーとしての見た目もカッコ良いし細部の再現も良く出来てるが、合体変形時に少し寂しいディテール感となってしまうキットだと感じました。
前回のバンチャー・アローの時もそうですが、合体形態があるので形状変更を伴う改造等が非常に頭を悩ませるキットでもあります。
どうしてもカッコイイ「アクロバンチ」と「バンチャーホーネット」が欲しい方は、合体状態と分離状態を別として作る方が良さそうですが、そうなると合計4機のバンチャー・ホーネットが必要です(笑)
他にも、旧キットの積みプラがたくさんあるので、順番にレビューしていこうと思います。気になってくれた方はぜひブックマーク登録お願いします。出来ればYouTubeチャンネルも登録していただけると嬉しいです。
ということで、次回のキットはこちら。
さて、次回は何のキットでしょうか?次のパーツヒントから予想してみてください。
今回は全部で5枚あります。後ろの画像に向かって難易度が下がります。ぜひ挑戦してみてください。
ぜひ次回のレビューもよろしくお願い致します!
それでは、次回も楽しみにお待ちください~
今回レビューしたキット
↑キットの画像をタップして「駿河屋」で在庫をチェックしてみよう!
※定価は当時価格で330円(税込み)です。
あなたも眠ったままの「積みプラ」を組み立ててみてはいかがでしょうか?
最後まで読んでいただきありがとうございます!
他にもいろんな記事があるので、ぜひ参考になりそうな記事があればご覧ください。良ければ、記事の感想や質問などあればコメントでいただけると嬉しいです^^
コメント
拝、ホーネットの記事&動画ですね。今回も気になった点を説明します。
先ずはキャノピーと後部ルーフに関するお話です。
実はキャノピーの形状は台形断面でして、動画で蛇腹と曰はれてゐた所は、エアインテイクのルーバーですね。この形状は実に視覚的誤謬を生じ易く、他の方でもここを蛇腹と勘違ひされてをられる方がゐらっしゃいました。この改造はキャノピー自作から入らなひといけませんねぇ…。
後、踵になるリアのエアインテイクは、外さなひのが正解ですね。そもそもここは説明書でも接着箇所になってをります。
後、本来のホーネットの寸法は実は大型有蓋トレーラーサイズですね。アクロバンチの全高は39m位ですので、逆算するとそんな感じです。これはバスコレやNゲージ等で検証して見てはイカがでせうか??
あおしまぽぷら さん コメントありがとうございます!
蛇腹の部分ってそういうことだったんですね。なるほど。
イデオンやバイファムと違ってアクロバンチの作例が極端に少ない理由がなんとなく垣間見えます(笑)
サイズに関してはアニメを観ても時折サイズがおかしいことも多いので、設定資料で確認したいところですね。
お早う御座居ます。
ホーネットのリアルーフエアインテイクルーバーは、実は樋口雄一師父の設定資料当時から、梶田達二氏のボックスアートに至る迄、きちんと描き込まれてをりますよ。これが下中心上拡がりになって居るからか、蛇腹に見へてしまふのでせうか??唯良く良く見ると、これが蛇腹ではなひ事が判りますけどねぇ…。後、この手の視覚的誤謬はファルコンにも存在して居るんですよねぇ…。それはファルコン仮組製作時にお伝へ致します。