ボークスより発売されたモーターヘッドシリーズ第一弾、「The Five Star Stories」に登場する「ザ・バング」を製作しました。
全身で写すとかなり縦に長い全体像です。
今回は組立説明書にある写真と同じポージングで、固定モデルとしての依頼です。
ご希望としてはパール感の必要はなく、基本色でトップコートをお願いしますとのことで、全体的につや消しで仕上げています。
内部メカ部分はグラファイトブラックを使用しており、元々メタリック色なのですがつや消しで仕上げて独特な質感が出せました。
エネルギーソードの刀身のみセミグロス仕上げとして、若干質感を変えてます。
こちらのキット、過去の依頼の中ではダントツで難しいキットだったと感じました。
その為、作るのに必死でほとんど記事化できておりません(汗
ほとんど文章となると思いますが、この記事内で解説したいとおもいます。
これから同キットを作ろうかと思っている方の参考になれば幸いです。
製作記事はこちらにてご覧ください。
まず最初に白状しておきますが、今回写真少ないです(笑)
というのも、撮影している最中に倒れそうになり、何度も危ない目に遭いました。
写真よりも完成品を届ける方が優先ですので、最低限の枚数で終わらせました。
ちなみに、ちゃんと自立はします。
ただ、今回「固定モデル」とは言っていますが、脚の関節、腕の付け根、首の箇所の関節は固定しておりません。
これは最終的にシールドを持たせた状態で自立できるように調整させることを優先させた結果です。
確実に動かす必要が無い、または動いてもらっては困る箇所のみ接着しております。
では足元に写っている透明のジェルみたいなものは何なのか?
これは、撮影ブースの足元に敷いている背景紙がPPシートの為、ツルツルなんですね。
で、股関節を固定しなかったことが仇となり、ツルツルの面にカカトの小さい点だけでは摩擦が働かず、徐々に脚が開いていく結果となってしまい、仕方なく滑り止めの「耐震マット」を敷いて撮影しました。
だって、倒れたら一発アウトですからねこのキット(笑)
キットの造形はさすがと言うべき完成度。
先端は鋭いわ、モールドも細かいわ、普通に作るだけで映えるキットだと思います。
それと同じぐらいの評価で「難しさ」が目立つキットでもありますね。
パーツ同士の合いは4割ぐらい良くないと言った印象。
正直、某B社の「〇ンプラ」しか作ったことが無いという方がいきなりこのキットに手を出すと、完成しないと思います(笑)
もしこのキットを作りたいと思って上記に当てはまる方は、昭和辺りの接着剤使用キットを綺麗に作る練習をしてからの方が良いかも知れません。
今回は固定でしたが、これが「可動」だったら・・・たぶん、もう少しお時間頂いてたと思います(笑)
ちなみに背面のスタビライザーは発送時に取り外しが出来るように接着しておらず、若干ブラ~としちゃっています。
また撮影の時に気付いたのですが、スタビライザーの真鍮線の一部が塗装ハゲしておりました。
こちらは記事を書いている現時点で既に修正済みです。
そう、修正。
今回最も大変だったのはこの「修正」だったかもしれません。
というのもこのキット、エネルギーソードやベイル(盾)を持つ副腕などにある各パイプ、背面の3本のスタビライザーの真鍮線などがそれぞれ、軟質パーツ、金属となっており、通常通りでは塗装が乗りません。
最初は各パイプは別のパーツで代用しようか色々と試行錯誤したのですが、大きく見た目が変わってしまうようなものしか無く、外観の印象が変わることは避けたかった為、何とかして塗装する方向にしました。
最初は「プライマーサーフェイサー」を下地に塗装したのですが、塗装後の最終組み立て時にパイプを差し込んだら塗装が剥がれてしまいました。
一番分かりやすい部分で言うとエネルギーソードの細い線2本です。
細いからすぐ曲がるし、ソードに差し込む時にどうしても根本を押し込む必要がある為、その時に根本が剥がれてしまうわけですね。
ということで、剥がれたものは再塗装。
そこで、前回のゼノギアスの際に覚えた「焼き付け」による下地塗装。(詳細はゼノギアス記事にて)
要するにプライマーサフ後にドライヤーで加熱するという方法です。
これも途中までは良かったのですが、やはり最終組み立て時に一部塗装が剥がれてしまいました。
剥がれたものは再塗装。
ということで、最後の望み「ガイアカラー マルチプライマー」です。
こちらはあの「ポリキャップ」にも塗装が出来るということで、期待大。
さっそく購入。
3度目の正直ということで、塗装後組み立てると・・・剥がれない!これは凄い!
ということで、各パイプや金属も塗装が可能となりました。
(でも過度に力を入れて擦るとさすがに剥がれますよ)
・・・とここで終わらないのが「軟質パーツ」です(笑)
ベイルの副腕にあるパイプの1つ。
この写真の〇のパイプです。
実際のパーツも、この1枚目のようになっています。
もちろん軟質パーツなので多少は曲げることは出来ますよね。
最終組み立て時の同じパーツです。
まったく同じパーツとは思えないぐらい先端が「グイッ」と曲がっているのがお分かりでしょうか?(笑)
先端は腕の「上側」につけるのですが、副腕側の付け根はそれとは真逆の「真下」向き。
実際取り付けようとしても全く無理です(笑)
おまけに、軟質パーツなので接着が出来ず、腕側のピンも長ければ差し込む穴も浅いので、止める手段がありません。
ということで、一度両手で両端を持って「こうなってくれたらいいなぁ~」という形を覚え、その形になるようにドライヤーで熱風⇒冷風を繰り返し、形自体を変えております。
それでも接着自体が難しい為、無理矢理穴を深く彫り、瞬間接着剤でガチガチに止めました。
よっぽど力を加えなければ外れることはありません。
まぁドライヤーのおかげで、飾るだけで取れてしまうような負荷は掛からないので大丈夫だと思います。
というような苦労は、道を走っててコンビニを見掛けるぐらい、珍しくない出来事なのです(笑)
他にも細かい苦労はありましたが、全てを語るといつまで経っても記事が終わらないので・・・。
完成品自体のサイズ感はズッシリ大きい印象で、ガンプラのMGシリーズぐらいという感じですね。
ただ頭頂部が長いのでもっと大きい感じはします。
正直、ガシガシ動かして遊ぶようなキットではないので、固定で飾る方が向いているキットじゃないでしょうか。
パーツの表面処理やスジ彫りの彫り直しなどで半月以上は掛かっていると思います。
パーツ数も多い上に、似たようなパーツでも位置が決まっている(例えば腰アーマーなどは「右前・右後・左前・左後」とそれぞれ別です)ので、接着の際も慎重に間違えないようにしないといけません。
たまに、合っているのに元から合いが悪いことで「あれ?逆?」と逆のパーツをつけようとするとまったく合わず、というようなフェイントがあったり。
1つのパーツを付けるのにも神経を使いますね。
そして、この記事を書いている今、最も頭を悩ませているのが「梱包」です(笑)
多少「過剰梱包」となってでも、しっかりと厳重に梱包したいと思います。
今回のようにガンプラ以外の製作代行も受け付けているのでぜひお気軽にご相談ください。