まいどおおきに!Akidou(@Akidou123)です!
前回は全体を「整面処理」まで行った「HG 1/72 メイレスビャクチ」。
今回は「モールドの彫り直し」と簡単な「ディテールアップ」を行います。
この制作記の内容の目的は、制作記1回目に記載してあります。
まだご覧になられていない方は一度ご覧ください。
モールドを彫りなおす
僕は基本的に既存のモールドは彫りなおすようにしています。
「モールド」とは、凹になっているラインのことで、メカモノのパネルラインなどが彫り込まれた形状になっている部分のことです。
こういう部分ですね。
こういった「モールド」を彫り直すことで、ハッキリとしたモールドにすることが出来ます。
モールドの彫直しって必要なの?
「わざわざモールドを彫りなおすって意味あるの?」と思う方もいるかも知れません。
実はもともとキットに入っているモールドの中には、彫りが浅いモールドがあったりします。
そういったモールドは、「表面処理」⇒「サーフェイサー」⇒「塗装」・・・と作業を進めていくと、どんどんモールドが埋まってしまい、最後仕上げの時点ではモールドの半分以上が無くなってしまっていることがあります。
これはどういう事かと言うと・・・
ちょっと大袈裟に図解していますが、こんな感じです。
まずパーツにヤスリ掛けをしているうちに、モールドの周囲の表面が削れていき、下地処理にサーフェイサーを噴きかけることで、モールドと表面の境界線が埋まっていき、塗装をすると更に埋まっていき、「さぁ!スミ入れだ!」と思ったその時には、塗膜でぼってりとした、今にも消えそうなモールドが目に入ってきます。
そうなると、スミ入れをしようとしたら、まったく流れなかったり、モールドから溢れ出て表面が汚れてしまうという事態に陥ります。
それを回避する為に、まず最初にモールドをしっかりと彫りなおすことで、元々浅いモールドの溝を深くしておくというわけです。
こうすると、ヤスリ掛けやサーフェイサーを噴いても、溝の深さは最低限キープできますからね。
あと、しっかりとモールドを彫りなおすことで、スミ入れをした時に流れやすくなったり、仕上がりがハッキリとするので、綺麗に仕上げるという意味では必須の作業ではないかと個人的には思います。
どういうところを彫りなおしたらいいの?
先程の写真のような、よくある凹モールドはもちろん対象になります。
あと、モールドを彫りなおすとは少し変わりますが、写真のパーツの上側に少し段差になっている部分があるの分かりますか?(アルファベットの『E』みたいな形してます)
このパーツは、一体成型なんですが、この部分を別パーツに見えるように境界線を彫りなおすことも効果があります。
この時、パーツがどのように組み合わさっているかを意識して彫る方向を変えていくと効果がさらに高まります。
例えば写真の場合、メインパーツにEのようなパーツが組み込まれているように見せる場合はメインパーツ側を彫り、メインパーツにEのようなパーツがかぶさっているように見せるなら、Eのようなパーツ側を彫ることで、見え方が変わってきます。
・・・何言ってるかさっぱりですよね?(笑)
図で書くとこんな感じです(笑)分かりづらくてすいません・・・><
図の下側左は、黄色のパーツが緑の面に入り込んでいるように見えると思います。
一方、下側右は、黄色のパーツが緑の面の上側に乗っているように見えると思います。
つまり、緑と黄色の境界線のラインを「縦」に彫るか「横」に彫るかで、見え方が変わってくるというわけです。
慣れると結構簡単に出来るので、旧キットのガンプラやFGシリーズなど、一体成型が多いパーツのキットで色々試してみてください^^
どうやって彫り直しするの?
ということで、僕がやっている彫り直しのやり方を説明します。
使う工具や、やり方が違う人もいると思うので、自分のやりやすい方法を見つけてやってみてください!
1.ケガキ針を使ってモールドをなぞる
彫りなおしたいモールドを、ケガキ針を使ってなぞります。
「なぞる」というぐらいなので、力はまったく入れません。
ここで力をいれると、モールドの外側に飛び出してしまい、周辺に大きな傷をいれてしまいますので、注意してください。
力を抜いて何度かなぞると少しずつ彫っていけるので、地道になぞりましょう^^
もしモールドの外に飛び出したとしても、力を抜いていればパーツ表面だけにキズが入る程度なので、粗めのペーパーでヤスリ掛けすれば問題なく消えると思います。
写真のパーツのように、ジグザグにラインが入っている場合、それぞれの頂点となる交差点に点で強めにケガキ針を押しあてて、穴をつけておくと飛び出しにくくなります。
2.スジ彫りカーバイトでモールドをなぞる
ほとんどの方は「タガネ」を使っているかと思いますが、僕はファンテックさんの「スジ彫りカーバイト」を愛用しています。
タガネも欲しかったですが、入手がなかなか困難で値段も高いのが大きな理由ですが、「スジ彫りカーバイト」を使ってみると使いやすかったことが今も愛用している理由です。
1/144などのサイズでよく使うのは「0.15mm」のもの。
1.のケガキ針でなぞったモールドを、今度は「スジ彫りカーバイト」でなぞります。
ここでも力は極力抜くようにします。
TAMIYAのピンバイスにつけることが出来るので、持っている方は取り付けて作業しましょう^^
真っすぐのモールドを彫る時も、一方向だけでなく反対方向からも彫るようにしています。
スタート地点、またはゴール地点、いずれかでしっかりと直角になるイメージで彫るようにするとキレイになる気がします。
交差点は、一方向で進んでそのまま方向を変えるのではなく、交差点で終わって、方向を変えて交差点からまた彫り進めます。
要するに、1辺ずつに分けて彫るということですね。
3.エッジをカンナ掛けする
彫ったモールドはそのままでもいいのですが、僕はデザインナイフの先でモールドのエッジを少し落とすようにカンナ掛けします。
こうすることで、小さなC面が出来て、見た目が馴染むような気がしますので^^
コツっていうほどではないですが、カンナ掛けをする時は必ず新品の刃で行うようにしています。
先が少し折れてしまっているデザインナイフの刃だと、モールド幅よりも広い為、反対側のエッジまで削ってしまうのでオススメしません。
※ちなみに、写真ではアートナイフを使ってますが、通常のデザインナイフの刃の方がやりやすいです。
カンナ掛けする回数はほんの1~2回程度。
写真左がスジボリ後、右がキットのままです。
左の方がくっきりとした印象になっているのが分かります。
ほんの少し手間を加えるだけで、モールド自体が綺麗に仕上がるので、ちょっとめんどくさいですがぜひ試してみてください^^
簡単なディテールアップ
今回は、簡単なディテールアップを行います。
とても簡単なので、初めての方も真似してみてください^^
凸ディテールをプラ板でディテールアップ
写真のパーツに映っている凸ディテール(棒状の突起)は、表面処理などをしていくうちにうっかり削ってしまったりしてしまう、意外とやっかいなディテールです。(周辺にパーティングラインも見えます)
周囲だけを上手く整えようとしても、気付くと角が削れていたり・・・削ってしまうと修正はほぼ不可能に近いです。
ということで、こういった凸ディテールをプラ棒で自作して、表面処理をしてから貼り付けようと思います。
まずは、整面処理の際に凸ディテールも全て削り落としてしまいます。
その際、どこにどうモールドがあったか分からなくなってしまうことを防ぐ為、スマホなどのカメラで最初の状態を1枚撮っておくと後で見返せるので助かります。
削り落として平面を先に出し、表面処理が完了するまで進めてしまいます。(表面処理はもう少し先で紹介しますが、ここでは進めた後の話をしていきます)
今回使ったのは、エバグリーン製の細いプラ棒(0.38 x 1.0mm)です。
貼り付けるプラ棒を、元あったディテールと同じぐらいのサイズに切り落としたら、#400のスポンジヤスリで角を丸く落とします。
流し込み用のタミヤセメントをほんの少しだけ貼り付ける箇所に点つけしたら、切ったプラ棒を置いて、その後微調整をして完成です。
プラ棒を置いたら念の為、少しだけ流し込みセメントを流しておきます。
(すいません、サフ後の写真しか用意できませんでした・・・)
若干大きくなってしまいましたが、まぁ問題無いでしょう(笑)
こういうディテールアップの為にも、エバグリーン製の平プラ板は色々なサイズがあってかなり便利です。
ちょっと値段は高く感じるかも知れませんが、それだけの価値があるアイテムなので、気になる方はぜひ^^
ヨドバシカメラやイエローサブマリンなどの大型模型店なら取り揃えている店舗もありますよ。
ほかにも、脚裏側にあるこの部分。
ここも、ディテールアップしてみようと思います。
一応、見た感じ裏側にシリンダーのような機構が設置されていると仮定して、(確認できる資料がないので本当のところはわかりませんが・・・)
手前の丸いディテールは全て穴を開けて、その裏側にゴールドのシリンダーがチラ見するようにしようと思います。
まず、不要な元ディテールをニッパーでカット。
デザインナイフで内側に残っている不要な部分も全て取り除いて、外側の穴を全て2.0mmのピンバイスで開通させます。
穴を丸棒ヤスリで整え、エッジを少しだけデザインナイフで削ります。
最終的に紙ヤスリで表面を整えたら、外側は完了です。
続いてシリンダーはプラ棒とプラパイプで自作します。
2.0mmのプラ棒と3.0mmのプラパイプを使ってパーツを4つ作ります。
微調整は後ほど修正するとして、だいたいの大きさや長さで切り出したら、長さの調整をします。
2.0mm丸プラ棒の先端に3.0mmのプラパイプを差し込んでタミヤセメントで接着。
穴が開いている先端部分は、小さく切った同じプラ棒を差し込んで穴埋めしました。
飛び出した余分を削り落として、角をスポンジヤスリで滑らかにしたら完成です。
(これも塗装途中の写真ですいません・・・)
2本を3.0mm角プラ棒に接着して、裏側に貼り付けようと思います。
あとは肉抜き穴を埋めます。
ガンプラなどのキャラクターモデルは、複雑な形状のパーツが多く、場合によっては見えにくい裏側の部分などが簡略化され、穴が空いています。
こういう箇所ですね。
これは製造の工程でこうせざるを得ない理由がある(ここでは割愛します)のですが、完成後やっぱり気になるポイントではあるんですよね。
こういったところは可能な限り埋めてしまうか、対となるディテールを追加して、隙の無い仕上がりにしてしまいます。
ということで、このメイレスビャクチのキットだと足のパーツが肉抜きされています。
穴を塞ぐ方法は色々あって、どんな方法でもしっかり埋まれば問題ありません。
自分のやりやすい方法でやってみてください。
一応簡単に出来る方法を1つやってみたので、参考にしてください^^
こちらは、いらなくなったランナータグを細かく切って差し込む方法です。(昔は僕もこの方法でやってました。)
いらないランナーやランナータグをとにかく細かく切って、肉抜き箇所に差し込めるだけ差し込みます。
差し込んだら、タミヤセメント流し込みタイプをたっぷり流して接着し、はみ出たところをニッパーで切り落とします。
ヤスリで平面を出したら、まだ空いている隙間を瞬間接着剤で埋めてしまいます。
瞬間接着剤が硬化したら、あとは平面を出すだけです。
良い点としては、いらないランナータグを使うので費用が掛かりません。あと、同じプラ素材で埋めるので色々と処理しやすくなります。
悪い点は、いい感じに隙間が埋まるようにランナーを差し込むのが意外とめんどくさいこと(笑)
ということで、僕は今では「エポキシパテ」を練って押し込んで埋めてしまいます。
↑これ使ってます。
単純に隙間に入れて硬化後整形するだけなので、今回は割愛します。
今回はここまで
結構長くなったので、今回はここまでです。
実はディテールアップの部分ではまだ紹介していない部分もあります。
そういった部分は完成品の紹介の時にチラッとお話はしますが、あえてここでは触れません。
というのも、あまりアレコレいきなり手を加えると大変だと思うから^^;
さて、次回は「表面処理」と「下地処理」になります。
後ハメの関係で塗装の順番が色々前後したため、少し遅くなりましたが、続けて記事の方書いていきますので、また次回もよろしくお願いします^^
カッコイイ「ビャクチ」になるといいなぁ~・・・
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