そんな積みプラを一つ一つ崩していきます・・・。
積みプラ消化を兼ねてキットの紹介をしていく旧キットプラモデルレビュー記事。
今回はアニメ「ガサラキ」に登場する「BANDAI」から発売された「1/35 シンデンアーマー」です。
1998年に放送されたアニメ「ガサラキ」に登場した量産型タクティカルアーマー(T.A.)がこの「シンデンアーマー」です。
T.A.とは、特務自衛隊が開発した二足歩行のロボット兵器で、ガンダムのようなものではなく、ボトムズのようにパイロットより一回り大きいロボットです。
主人公「ユウシロウ」が乗るT.A.「ライデン」の量産タイプで、正式名称としては「17式改『震電』」だそうです。ちなみにメカデザインは出渕裕氏によるもの。
かなりリアル寄りの兵器ということで、他のキャラクターキットとは少し違ったテイストのあるキットですが、はたして完成度はどのようになるのか?
作っていきましょう。ぜひ最後までご覧ください^^
↓動画でもご覧いただけます。
キットの内容だけを見たい方は、目次の『シンデンアーマー キット内容説明』からご覧ください^^
「シンデンアーマー」について
1998年にアニメで放映された「ガサラキ」に登場したタクティカルアーマー(T.A.)。
主人公「ユウシロウ」が乗るT.A.「17式TA(雷電)」の量産型であるこの機体は、操縦者のクセなどを個別にチューンアップする雷電と違い、ある程度決まった設定の中から適切な設定を選んでくれるように改良された量産機です。
両肩に装着している新型バッテリーによって、駆動時間が大きく向上し、最大36時間の連続稼働が可能となっています。しかし、実際にはパイロット一人に対して1時間連続で搭乗するのが限界とされています。劇中ではパイロットが長時間の稼働に耐え切れず、暴走を起こしています。
これは、T.A.に使われている人工筋肉「マイル1」という謎の技術が原因となり、パイロットのメンタルを利用した操作技術を用いているからです。このメンタルをトランス状態にまで陥らせることで、人体の常識を超えた能力を引き出す「メンタルバースト」と呼ばれる現象があり、意図的にこの力を引き出せるパイロットが搭乗したT.A.は、とてつもない性能を発揮すると言われています。
武装は作戦に応じて様々な変更がされますが、今回キットに付属している武装を挙げると、「25mm機関砲」と「ブラストロッド」、「ミサイルランチャー」と「アルムブラスト」、「対ヘリ用大型ミサイル」などがあります。
マニュピレーターなどはとても繊細で、近接攻撃における直接的な打撃などは向いておらず、基本的には武器を使った射撃がメインとなります。
実際のリアルを追求したメカデザインや設定、「能」という日本の伝統舞踊を取り入れた本作は、そこそこ人気はあったものの、従来のサンライズ作品の中でも異質な作品とされていて、プラモデルやゲームなどの展開はあまりされずに本編が終了しました。
僕は好きな作品ですが、あまり目に見えた人気というのは感じられず、「知る人ぞ知る」と言っても良い作品かも知れません。
そんなシンデンアーマーをバンダイが1/35スケールでキット化という事ですが、果たして完成度はどうなのでしょうか?気になるキットの説明に行きましょう。
「シンデンアーマー」キット内容説明
「ガサラキ」に登場したT.A.「シンデンアーマー」をバンダイがキット化したプラモデル。
ランナーは全部で5枚、パーツ数は全部で126パーツ。
ではパーツ構成を見てみましょう。
各ランナー紹介
各ランナーです。
基本的には90年代後半のガンプラキットと同様、合わせ目がセンターにくる分割となっています。
また、一部のポリキャップも剥き出しなので、全塗装派の方は少し頭を悩ませる仕様ですね。
あと脚に使う関節パーツが貼り合わせなので、合わせ目が入ってしまうのですが、結構なディテールが入っているので合わせ目消しがなかなか大変です。
ポリキャップは結構数が多く、若干の余剰はあれどほぼ使用します。
とりわけ目立った特徴とかもない、いつも通りのポリキャップです。
デカールシールとビニールチューブです。
ビニールチューブは、昔の旧キットのように「〇cmでカットする」というようなものではなく、このまま1本を使います。
マーキングシールがついているのは嬉しいですね。
組立説明書とカードゲームのチラシです。
組立説明書は、当時のガンプラなどとよく似たページ構成で、アニメのシーンが入ったものと実際の完成品のイメージ写真、簡単な解説が記載されています。
武器の特徴などは、こういった説明文で初めて知ることも多いので、見るだけでも楽しいです。
チラシは別に必要ではありませんが、個人的には中古キットを買った時についていてくれると若干テンションがあがるのでとても大事です(笑)
素組み完成
ということで、素組み完成です。
プロポーションもとても良く、T.A.のコンセプトや特徴を知っていると、かなり作りの良いキットのように感じます。
後ろからの見え方も、ガッシリとしていて、鉄で出来たロボットって感じがしてとても良いですね。
そうなるとどうしても目に付くのがやはり「合わせ目」ではないでしょうか。
特に前面胴体部分の曲面などは、シンデンアーマーの特徴をとても良く再現出来ているだけに、合わせ目が目立ってしまうので、少し残念です。
やはり、膝や足首、関節や肩のバッテリーなんかは、合わせ目が気になってしまいますね。
合わせ目消しが出来る方は、しっかりと合わせ目消しをしてあげると、見た目がグッと引き締まるかと思います。
ディテールやモールドもちりばめられていて、情報量としては文句無しのキットではないでしょうか。
ただ、膝や腰などの長方形型の凸ディテールは、全体的に若干甘めな感じなので、プラ板などで作り直ししてあげたいところ。
下から覗いても、横から見ても、上から見ても、プラモデルの内側やピンなどの露出も少なく、隙の少ないキットだと感じました。
ディテールが多いだけに、合わせ目消しは結構難しい部類に入るかも知れません。
作るだけならバンダイキットなのでとても組みやすく、初心者向けと言えるかも知れませんが、合わせ目も消して綺麗に作ろうと思うと、それなりに上手く出来る方でないと満足いく仕上がりは少し難しいかも?
頭部はコックピットの内部が見れるよう、開閉式となっていて、開くと一般兵のフィギュアが収まっています。
ちなみにこのフィギュアは、先に組み込んでおかないと後から入れることはほぼ不可能な作りになっているので、塗装をする方は先にフィギュアを塗装しておく必要があります。
また、後ろの搭乗口となるハッチも開閉式なので、こちらもちゃんと作り込んだり塗装の塗り分けをすると見映えがかなり良くなるポイントです。
ただ開くだけではなく、脚の置き場となる部分と背中となる部分の二段式に開閉するギミックが用意されているのが、バンダイのこだわりの凄さだと感じます。
ハッチオープンの両サイドのスリットもいいですね。
シンデンアーマーの可動に関して
シンデンアーマーの可動域についてですが、頭部は胴体と一体型となっていて、動かすことは出来ません。
また胴体も、腰やお腹などに関節は一切ないので、これも可動しません。
ということで、腕の可動域ですが、肩の回転は360度可能で、腕も水平まで上げることが出来ます。
肘の関節はだいたい45度ぐらいでしょうか。肘の内側部分が干渉して、これ以上は曲がりません。
また、上腕にはロール軸がない為、腕の回転は肘のポリキャップの回転により行います。
ハンドパーツはボールジョイント接続なので、若干の可動は可能です。
続いて、脚の開脚はこれぐらいまでなら可能です。
しっかりと接地がされるように出来ているので、これは嬉しいポイントです。
太腿は前後にこのぐらいの可動域があります。
前側にはイマイチな感じですが、後ろには思った以上に可動範囲があったので意外でした。
あまりアクティブな動きをするメカではないので、この可動範囲でも十分と言えば十分ですね。
膝の関節は45度ぐらい曲げることが出来ます。
これも膝裏の部分で干渉するので、これ以上は曲げられません。
このキットの一番の弱点と言えるのは、この膝関節ではないでしょうか。もう少し可動してくれれば、ポージングのバリエーションも増える気はするのですが、「歩く」という行為をギリギリで再現できる程度の可動範囲なのは少し残念なポイントです。
実際歩いている感じに見せようとするとこのような感じになります。
これでも歩いているようには見えますが、やはり戦闘シーンとなると、上半身の動きは腕や武器の向きで何とかなっても、下半身はこれが限界な為、少し再現が難しくなります。
足首は結構可動します。
特に前側に向かって爪先を上げるように可動出来るので嬉しいのですが、やはりそうなると膝の可動が狭いということが、この足首の可動を活かしきれていないと言えます。
内側にも若干は可動します。先ほどの開脚の写真を参考にしていただければと思います。
実は、つま先だけで独立の可動域を持っており、このように動かすことが出来ます。
これは可動として使うよりも、設定を忠実に再現したと言える部分ですね。
足裏の撮影を忘れてしまいましたが、肉抜きなどは無く、一面全てディテールで埋め尽くされているので、これは見えないポイントでも嬉しいです。
可動部分はこれぐらいなので、続いて豊富な武装の紹介です。
シンデンアーマーの武装
こちらのキットには、これら3つの武装が付属しています。
順番に見ていきましょう。
まずは「25mm機関砲」です。
コチラも含め武装はすべてモナカ合わせの為、センターに合わせ目が入ります。
が、武器のディテールもちゃんと入っており、見た目も悪くない印象です。
取り付けるには腕のシールドを取り外し、ピンに差し込んで装着します。
装着した時の写真は、この後の「ポージング」の際にまとめて掲載します
続いてこちらは「ブラストロッド」です。
接続には腕の横にあるピンに差し込み、取っ手をハンドパーツの逆側から差し込み、ビニールチューブをブラストロッドと肩のバッテリーパックから出たピンに差し込みます。
そして「ミサイルランチャー」です。
これは少し面倒な取り付け方で、手首のパーツを一度外し、左右にピンがついた専用のパーツを取り付けてから、左右にランチャーを取り付ける仕様です。
その他にも細かい付属の武器があるので、後ほどご紹介します。
シンデンアーマーのポージング
それでは簡単なポージングをご覧ください。
狭いと言いながらも意外とそれっぽくポージングが出来るので、驚きです。
足首もほぼしっかりと設置しているのがお分かりいただけると思います。反面、膝がもう少し曲がればいいのになぁ~と思う時は結構ありました。やはり上半身がほぼ固定なので、せめて下半身だけでもと思うのは当然です。
それでもそれなりにカッコ良く見えるのは、このキットの出来が良いということの表れだと思います。
ちなみに、このキット「降着ポーズ」というものを差し替えで表現が出来ます。
差し替えに使うパーツはこの3つです。
股関節のパーツと専用の膝関節が2つですね。一度どのように組み立てるのか簡単に説明します。
まず、通常の下半身を外すと写真(上)のようになるので、腰のジョイント部分と膝の関節パーツを付け替えると写真(下)のようになります。
この時、そのままだと脚がしっかりと曲がらない為、脛の裏にある四角いパーツも取り外す必要があります。
そうすると、座ったポーズが取れるようになるので・・・
このように「降着ポーズ」が取れるというわけです。
これは戦闘以外のシーンなどで取られるポーズで、パイロットの乗り降りなどを行う為となります。
つまり、ハッチをオープン状態にすることで、ジオラマなどで再現する時にリアル感が伝わるようになるということです。
また、お尻の下に地面への補助足が出ているにお気づきでしょうか?(上記写真下側参照)
こういった部分もちゃんと再現されているのが嬉しいですね^^
このように並べると、戦闘待機中のようなシーンを再現することも可能です。
一般兵のフィギュアは、頭部のヘッドディスプレイを上げた状態、下げた状態、どちらでも選ぶことが可能です。とても小さいのにここまで出来るのは感動ですね。
また付属アイテムとして、「対ヘリ用大型ミサイル」と膝にある「アルムブラスト」が付いています。
アルムブラストとは、気体爆薬を利用した機動補助システムだそうで、壁を掘削したりすることにも利用できるとのこと。
膝のパーツが小さいので、付け替えが大変ですが、こういった小さなパーツまで付属として用意されているのはとても嬉しいですね。
「バンダイ 1/35 シンデンアーマー」レビューまとめ
今回のレビューは以上となります。いかがでしたか?何か参考になっていただければ幸いです。
この「シンデンアーマー」は、ファンはもちろん、ミリタリーチックなメカ好きも納得出来る良キットだと感じました。
とは言え、合わせ目や可動域の狭さ、パーツの差し替えの煩わしさなどもありますが、しっかりと完成させればそれらも気にならない仕上がりになるキットだと思います。
また、YouTubeの動画でコメントで、「1/35なのでスケールモデルと組み合わせても良さそう」というお声もいただきました。僕はスケールモデルの入り口に立っているぐらいなので、その辺は盲点でした。
確かに!と言う感じですよね!1/35スケールモデル何か買ってみようかな・・・
架空ではあってもリアルな設定で作られたメカなので、きっと溶け込むのではないかと思います。
これだけ良いキットなので、プレバンでもいいのでHG化、または別メーカーになりますがMODEROIDのグッスマさん辺りに、今の技術で「ガサラキ」をキット化してほしいと思いますよね^^
ということで、他にも旧キットのレビューをしていくので、気になってくれた方はぜひブックマーク登録お願いします。
出来ればYouTubeチャンネルも登録していただけると嬉しいです。
ということで、次回はこちらのキット。
さて、このパーツはいったい何のキットのパーツでしょうか?
ヒントは右側のY字型のパーツですね!ぜひ次回のレビューもよろしくお願い致します!
それでは、次回も楽しみにお待ちください~
今回レビューしたキット
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※定価は1,100円(税込み)です。購入の際の価格にはご注意ください。
あなたも眠ったままの「積みプラ」を組み立ててみてはいかがでしょうか?
最後まで読んでいただきありがとうございます!
他にもいろんな記事があるので、ぜひ参考になりそうな記事があればご覧ください。良ければ、記事の感想や質問などあればコメントでいただけると嬉しいです^^
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